この記事は薬剤師監修によって書かれました
2014年に薬学部薬学科を卒業し、薬剤師の資格を取得。
大手ドラッグストアに就職し、調剤やOTC販売を経験する。
2018年に退職し、その後はライター活動を開始。
現在は医薬品や化粧品、健康食品など健康と美に関する正しい情報を発信中。
医療ライターとしてさまざまなジャンルの記事執筆を行っている。
エクオールの副作用
エクオールは、女性ホルモンの一つであるエストロゲン（卵胞ホルモン）と似たような働きをもつ成分です。ゆらぎやすい時期をサポートしたり、いつまでも若々しくいられるように女性の手助けをしたりしてくれます。エストロゲンと似たような働きがあると聞くと、「何か副作用があるのでは？」と心配される方もいるでしょう。< しかし、サプリメントを使用する場合の摂取量では、エクオールによる副作用が起こる心配はないといわれています。実際に、現時点でエクオールの摂取により副作用が起きたという報告はされていません。
ですが、エストロゲンの過剰分泌や摂取は、子宮内膜症や子宮筋腫、乳がんなどのリスクを上げる恐れがあります。エクオールもエストロゲンと似た働きをもつので、これらの疾患リスクを上げるのではと心配な方もいるのではないでしょうか。
エクオールによる副作用の心配は必要ない
たしかに、エストロゲンが過剰になると、女性特有の疾患リスクが上がることが分かっています。しかし、エクオールは疾患が起こるほどの活性はもっていません。エストロゲンの活性を1とすると、エクオールの活性は0.001～0.01ほどに過ぎないのです。そのため、医薬品のエストロゲンを摂取したときと同じような副作用が起こることはないといえるでしょう。一方で、一部の研究者たちの間では、エクオールの摂取が女性の体に影響を与えると考えられているようです。エクオールの影響を調べるために、マウスから単離した胞状卵胞を使った研究がアメリカのイリノイ大学で行われました。
胞状卵胞とは、これから発育する可能性が高い卵胞のことです。胞状卵胞をエクオール（600nM、6μM、36μM、および100μM）とともに48時間および96時間培養し、卵胞の直径を測定しました。この結果、100μMのエクオールとともに培養された卵胞では、成長が阻害されていることが分かったのです。
また、エストラジオールやテストステロン、アンドロステンジオン、プロゲステロンのレベルを低下させることも分かりました。このことから、卵胞をエクオールとともに培養した場合は、影響が出るといえるでしょう。
