エクオールの増やし方【薬剤師監修】

この記事は薬剤師監修によって書かれました

岡本 妃香里

2014年に薬学部薬学科を卒業し、薬剤師の資格を取得。
大手ドラッグストアに就職し、調剤やOTC販売を経験する。 2018年に退職し、その後はライター活動を開始。
現在は医薬品や化粧品、健康食品など健康と美に関する正しい情報を発信中。
医療ライターとしてさまざまなジャンルの記事執筆を行っている。

エクオールの量を増やすためには

体内にあるエクオールを増やすためには、日頃から定期的に大豆食品を摂取することが大切です。エクオールは、大豆イソフラボンに含まれているダイゼインが腸内細菌によって代謝を受けることで作られます。そのため、大豆イソフラボンを含む大豆食品を摂取する必要があるのです。
しかし、大豆イソフラボンは長時間にわたり体内にとどまり続けることができません。個人差があるものの、ほとんどは摂取後24時間で体の外に排出されます。時間が経つと大豆イソフラボンが排出されるため、一度に多くの大豆食品を摂ってもエクオールの働きが長続きすることはありません。エクオールの量を増やすためには、大豆食品を毎日摂取する必要があります。

腸内細菌を増やすことが大事

また、ダイゼインからエクオールに変換するための腸内細菌を増やすことも効果的です。エクオールを産生する働きがある腸内細菌として知られているのが、乳酸菌の一つであるラクトコッカス20-92です。
ラクトコッカス20-92は、エクオール産生菌とも呼ばれるほど優れた働きを発揮します。腸内にラクトコッカス20-92がない人は、残念ながら大豆食品を摂取してもエクオールが作られず大豆イソフラボンの形のまま排出されてしまいます。ラクトコッカス20-92を大豆食品と一緒に摂取すれば、産生されるエクオールの量も増やすことができるでしょう。
エクオール産生菌の働きを良くするためには、腸内環境のコンディションを整えることも大切です。腸内には善玉菌と悪玉菌、日和見菌の3種類の菌があります。このうち善玉菌を増やすと、腸内環境を整えることができます。
善玉菌を増やすためには、プロバイオティクスやプレバイオティクスを摂取するようにしましょう。プロバイオティクスは善玉菌そのもののことです。ヨーグルトや乳酸菌飲料などに含まれています。
プレバイオティクスは、善玉菌を増やす働きがあるもののことです。オリゴ糖や食物繊維などがプレバイオティクスとして知られています。ラクトコッカス20-92は、エクオール産生を助けるプロバイオティクスです。

大豆製品を毎日摂りましょう

また、エクオールを作れる人とつくれない人にはある違いがあるといわれています。エクオールを作れる人のほうが、普段から大豆食品を摂っている傾向があるのです。大豆食品を日頃から摂る人と摂らない人とでは、エクオールの産生量が2倍も違うことも分かっています。このことから、エクオールの量を増やすためには、大豆食品を毎日摂取することも効果的だといえるでしょう。