プラセンタと更年期。エクオールとプラセンタの違いとは?【薬剤師監修】

この記事は薬剤師監修によって書かれました

岡本 妃香里

2014年に薬学部薬学科を卒業し、薬剤師の資格を取得。
大手ドラッグストアに就職し、調剤やOTC販売を経験する。 2018年に退職し、その後はライター活動を開始。
現在は医薬品や化粧品、健康食品など健康と美に関する正しい情報を発信中。
医療ライターとしてさまざまなジャンルの記事執筆を行っている。

更年期とは

女性は、年齢を重ねると誰でも更年期を迎えます。
更年期とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた期間のことです。
日本人の平均閉経年齢は約50歳といわれているため、45歳から55歳にかけてが更年期となる方が多いでしょう。
更年期になると、人によってはほてりやのぼせ、ホットフラッシュやめまいなどの症状があらわれることがあります。
日常生活に支障が出るほど症状が強く、かつほかの病気が原因でないものを更年期障害と呼んでいます。更年期になると女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)が大きくゆらぎながら減少していくことが更年期障害の主な原因です。

更年期症状とプラセンタ

更年期障害に効果があるのではといわれているのが、プラセンタです。
厚生労働省から医薬品として認定されているプラセンタには更年期障害に対する効能効果が認められています。

プラセンタの働き

プラセンタ(メルスモン)がなぜ更年期障害に効果を示すのかはまだ十分には明らかにされていません。現時点では、次の3つの働きがあることが分かっています。

組織呼吸促進作用
生理食塩水と比べて約5.7倍の呼吸促進作用があります。
創傷治癒促進作用
びらんを縮小させたり治癒経過を早めたりする効果があります。
抗疲労作用
抗疲労効果があります

プラセンタ(メルスモン)を更年期障害の方31例を対象に1回2mlを2週間継続して合計6回皮下投与したところ、有効率77.4%を示しました。プラセボと比較した試験でも、プラセンタ(メルスモン)の有効性が認められています。更年期障害の治療を目的としている場合は、保険適用でプラセンタ(メルスモン)を使用することが可能です。

プラセンタとエクオールの違い

更年期障害に良いといわれているものには、プラセンタ以外にエクオールという成分も知られています。エクオールは、大豆イソフラボンに含まれているダイゼインが腸内細菌によって代謝されることで作られる成分です。エストロゲン様作用をもつことから、更年期のゆらぎを改善する働きがあるといわれています。

ただし、エクオールは医薬品として認められていないことから保険は使用できません。また、大豆イソフラボンからエクオールを作れる方は約2人に1人しかいないため、いくら大豆イソフラボンを摂取してもエクオールの力を発揮できないケースもあります。
プラセンタ(メルスモン)
特徴:胎盤から作られる / 保険適用:保険適用で更年期障害の治療に用いられる
エクオール
特徴:大豆イソフラボンの一種であるダイゼインから作られる / 保険適用:保険は適用とならない