更年期の症状
閉経する前後の5年間、合計10年間を更年期といいます。更年期はエストロゲン（卵胞ホルモン）の分泌量が大きくゆらぎながら減少していくため、さまざまな不調が出やすい時期です。人によっては、日常生活に支障が出るほど症状が出てしまうこともあります。しかし、対処法が分からずつらい症状を抱えたまま生活している方が少なくありません。更年期に出やすい症状として、次のものが知られています。
血管の拡張や放熱に関連する症状
・ほてり・のぼせ
・ホットフラッシュ
・発汗
身体症状
・めまい・動悸
・頭痛
・肩こり
・腰痛
・関節痛
・冷え
・しびれ
・疲れやすい
精神症状
・気分の落ち込み・意欲の低下
・イライラ
・情緒不安定
・不眠
エクオールの働き
症状は人によってさまざまです。複数の症状が出ることも珍しくありません。このような更年期の症状をやわらげる効果があるとして注目されているのが、エクオールという成分です。エクオールは大豆イソフラボンに含まれているダイゼインが代謝されて作られます。かつてから大豆イソフラボンには女性ホルモンと似たような働きがあると言われていましたが、その主体となるのがエクオールなのです。更年期の症状は、エストロゲンがゆらぎながら減少していくことが一つの原因だといわれています。エストロゲンと似たような働きをするエクオールには、更年期の症状をやわらげる働きがあると考えられています。
エクオールでホットフラッシュが緩和されたケースも
更年期の症状がある方にエクオールを使用してもらった研究では、ホットフラッシュが改善したとの結果が出ました。ホットフラッシュとは、顔や胸元などが突然熱くなり、顔が赤くなったり大量に汗をかいたりする症状のことです。暑くないにもかかわらず急に汗が大量に出てしまうこともあり、症状に悩まされている女性が多くいます。エクオールを12週間にわたり摂取した試験では、ホットフラッシュが起こる頻度が平均して1日に2回減るという結果が出ました。このほか、ほてりに対する有効性も確認されています。
1日に5回以上のほてりを経験した閉経後の女性を対象に8週間にわたって試験を行ったところ、エクオールを摂取したグループではそうでないグループと比べてほてりの頻度が大幅に減少しました。大豆イソフラボンを摂取したグループでもほてりの改善が見られていますが、エクオールを摂取したグループより減少幅が低かったという結果になっています。
このことから、エクオールは更年期の症状を改善する効果があること、大豆イソフラボンより高い効果が期待できることが分かりました。
