イソフラボンとエクオールの違い
イソフラボンとエクオールは、どちらも大豆に由来する成分です。どちらも女性に嬉しい成分として知られていますが、両者には大きな違いがあります。イソフラボンとは
まずイソフラボンとは、大豆の胚芽の部分に多く含まれているポリフェノールのことです。ダイゼインやゲニスチン、グリシチンなどを総称してイソフラボンと呼んでいます。イソフラボンは大豆に豊富に含まれているものの、実は0.2~0.4%程度しか含まれていません。そのため、大豆の貴重な成分といえるでしょう。
イソフラボンは、女性ホルモンの一つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)と似た働きをもつことが分かっています。エストロゲン受容体に結合することで、エストロゲン様作用を発揮するのです。
しかし、エストロゲンほど強い活性はもっていません。イソフラボンの活性はエストロゲンの1,000分の1から10,000分の1ほどだとされています。イソフラボンは、エストロゲンの働きをサポートするだけでなく、抑制作用も持ち合わせていることが特徴です。エストロゲンの働きが過剰になっている場合は、抗エストロゲン作用によって働きを弱めます。つまりイソフラボンは、エストロゲンの量をうまく調節してくれる成分なのです。
エクオールとは
一方でエクオールは、大豆イソフラボンに含まれているダイゼインが腸内細菌によって代謝されることで作られます。大豆と関係の深い成分ではありますが、イソフラボンのように大豆に直接含まれているわけではありません。エクオールの活性は、エストロゲンの1,000分の1から100分の1ほどです。イソフラボンと比べると、高い活性をもつことが分かります。イソフラボンと同様に、エクオールもエストロゲンと似たはたらきをもっていますが、その作用はイソフラボンよりも強力です。
また、抗エストロゲン作用ももっています。エストロゲンが過剰な場合は、エストロゲンと競合することで作用を抑えてくれるのです。なおエクオールは、すべての方が腸内で作り出せるわけではありません。エクオールを作るためには、エクオール産生菌と呼ばれる腸内細菌の存在が必要です。いくら大豆を摂取してもエクオール産生菌をもっていなければ、エクオールは作られません。