プラセンタの副作用【薬剤師監修】

この記事は薬剤師監修によって書かれました

岡本 妃香里

2014年に薬学部薬学科を卒業し、薬剤師の資格を取得。
大手ドラッグストアに就職し、調剤やOTC販売を経験する。 2018年に退職し、その後はライター活動を開始。
現在は医薬品や化粧品、健康食品など健康と美に関する正しい情報を発信中。
医療ライターとしてさまざまなジャンルの記事執筆を行っている。

プラセンタの副作用

プラセンタは、紀元前400年頃から美容や健康のために使われていたといわれています。長い歴史をもつのは、副作用の心配がほとんどないことも関係しているでしょう。
実際に、医薬品として使用されているヒト由来のプラセンタにおいて、重篤な副作用が発生したという報告はこれまでにされていません。しかし、プラセンタはもともと胎盤から作られている成分ということもあり、感染症のリスクを心配されている方もいるかもしれません。
ヒト由来のプラセンタを使用しているプラセンタ注射では、B型肝炎やC型肝炎、エイズなどの感染症にかかっていないことが確認されている方から提供された胎盤のみを使っています。そのため、感染症のリスクはありません。変異型クロイツフェルトヤコブ病のリスクも限りなく0に近いとされています。
ですが、変異型クロイツフェルトヤコブ病に関してはリスクが0%とは言い切れないため、感染症を広めないためにもプラセンタ注射をした方は献血ができない決まりとなっています。また、重大な副作用ではないもののプラセンタ注射には次のような副作用が報告されています。

プラセンタ注射の副作用

プラセンタ(ラエンネック)

注射部位
1~5%未満 疼痛 / 0.1~1%未満 硬結
過敏症
0.1~1%未満 発疹、発熱、そう痒感等
肝臓
頻度不明 肝機能障害(AST、ALT上昇等)
その他
0.1~1%未満 女性化乳房 / 頻度不明 頭痛

プラセンタ(メルスモン)

注射部位
1~5%未満 疼痛、発赤等
過敏症
0.1~1%未満 悪寒、悪心、発熱、発赤、発疹等


いずれも頻度は高くなく、軽度のものです。副作用を過度に気にしすぎる心配はないでしょう。プラセンタ注射の場合は医療機関で受けることになるため、注射後に万が一何か気になることがあっても医師や看護師にすぐ相談できます。

プラセンタサプリの副作用

では、プラセンタのサプリではどのような副作用が起こる可能性があるのでしょうか。サプリメントでもこれまでに重大な副作用が報告された例はありません。
ただし、アレルギーには注意が必要です。サプリメントとして使用されているプラセンタには、豚由来、馬由来、羊由来のものなどがあります。これらにアレルギーがある方は医師や薬剤師に相談してから使用するようにしましょう。


実際に、プラセンタエキス40mgを10日間使用した女性で、全身の紅斑と膝から足首にかけての浮腫といったアレルギー症状が出た例が報告されています。サプリメントだから副作用が出ないということはありませんので、アレルギーがある方は十分に注意してください。
また、アレルギーがない場合でも摂取して体に合わないと感じたら、早めに医師や薬剤師に相談しましょう。