寝ている間に汗をかくこと自体は、珍しいことではありません。私たちの体は睡眠中も体温を調節しており、室温や寝具によっては汗をかくことがあります。

一方で、パジャマやシーツが濡れるほど大量の寝汗をかく状態は「盗汗(とうかん)」と呼ばれることがあります。

「寝汗で何度も目が覚める」「涼しい部屋でも大量の汗をかく」「着替えや寝具の交換が必要になる」といった状態が続く場合は、睡眠環境だけでなく、ホルモンバランスの変化や体調、病気などが関係している可能性もあります。

今回は、ひどい寝汗(盗汗)が起こる主な原因や、自宅でできる対策、医療機関へ相談したい目安について解説します。

ひどい寝汗(盗汗)とは?通常の寝汗との違い

まずは、体温調節によって起こる一般的な寝汗と、注意したい寝汗の違いを確認しておきましょう。

寝汗は誰にでも起こるもの

人は眠っている間も汗をかきます。室温が高い、厚手のパジャマや布団を使っている、入浴直後に就寝したなど、体温が上がりやすい環境では発汗量も増えやすくなります。

こうした寝汗は、室温を調節したり、通気性のよい寝具や衣類に変えたりすることで落ち着くことが一般的です。

注意したい「ひどい寝汗」とは

一方、室温が高くないにもかかわらず、寝具やパジャマを替えなければならないほど大量の汗を繰り返しかく場合は注意が必要です。

医学的な「寝汗(night sweats)」は、単に寝ている間に汗をかくことではなく、睡眠環境では説明しにくいほど強い発汗を指して使われることがあります。

寝汗によって何度も目が覚める状態が続けば、睡眠不足や日中の疲労感につながることも。まずは寝室の温度や寝具を見直し、それでも改善しない場合は別の原因がないか考えてみましょう。

ひどい寝汗をもたらす主な原因

ひどい寝汗(盗汗)の原因はひとつではありません。生活習慣やホルモンバランスの変化、病気など、さまざまな要因が関係しています。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気です。寝汗のほか、大きないびきや日中の強い眠気、起床時の頭痛などがみられる場合があります。

多汗症

多汗症は、必要以上に汗をかく状態のことです。日中だけでなく夜間にも大量の汗をかく場合は、ほかの病気や薬の影響などが隠れていないか確認することも大切です。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)

甲状腺機能亢進症では、代謝が活発になることで暑がりになったり、汗をかきやすくなったりします。動悸や手の震え、体重減少などを伴う場合もあります。

更年期によるホルモンバランスの変化

更年期は女性ホルモンの分泌が大きく変化し、ほてりや発汗が起こりやすい時期です。夜間にホットフラッシュが起こることで、大量の寝汗をかいたり、何度も目が覚めたりすることがあります。

ストレスや自律神経の乱れ

強いストレスや不規則な生活が続くと、体温調節に関わる自律神経のバランスが乱れ、汗をかきやすくなることがあります。

アルコールの飲みすぎ

アルコールは血管を広げたり、睡眠を浅くしたりするため、寝汗につながる場合があります。寝汗が気になるときは、飲酒量や飲む時間を見直してみましょう。

病気が隠れている場合も

頻度は高くありませんが、感染症や悪性リンパ腫などの病気で、強い寝汗が現れることもあります。

ただし、寝汗だけで特定の病気を判断することはできません。発熱や原因不明の体重減少、リンパ節の腫れ、強いだるさなどを伴う場合は、医療機関へ相談しましょう。

寝汗がひどいときのセルフチェックと受診の目安

寝汗が気になるときは、まず室温や寝具、飲酒の有無など、生活環境に原因がないか確認してみましょう。

あわせて、次のような状態がないかチェックしてみてください。

・寝汗が何日も続いている
・パジャマや寝具を替えるほど大量に汗をかく
・寝汗で何度も目が覚める
・発熱や強いだるさ、体重減少などを伴う
・動悸や手の震え、ほてりなど、ほかの症状も気になる

寝室の環境を整えても強い寝汗が続く場合や、ほかの体調変化を伴う場合は、自己判断せず医療機関へ相談しましょう。

更年期によるほてりや発汗が気になる場合は婦人科、いびきや無呼吸を伴う場合は睡眠外来や呼吸器内科など、症状に応じた診療科への相談も選択肢です。

ひどい寝汗を軽減する生活習慣と対処法

睡眠環境や飲酒、ストレスなどが寝汗に関係している場合は、生活習慣を見直すことで不快感を軽減できることがあります。無理なく取り入れられることから試してみましょう。

寝室の環境を整える

寝室が暑すぎたり湿度が高かったりすると、睡眠中に汗をかきやすくなります。

エアコンや扇風機などを活用し、暑さや蒸れを感じにくい環境に整えましょう。季節や体調に合わせて、自分が快適に眠れる室温・湿度に調整することが大切です。

通気性・吸湿性のよい衣類や寝具を選ぶ

パジャマや寝具は、汗を吸いやすく、熱がこもりにくいものを選びましょう。

寝汗が多い方は、着替えやタオルを枕元に用意しておくと、夜中に汗をかいたときにも対応しやすくなります。

アルコールの摂り方を見直す

アルコールは寝汗のきっかけになる場合があるため、飲酒した日に寝汗が増える方は、量や飲む時間を見直してみましょう。

また、アルコールは睡眠の質にも影響するため、就寝直前の飲酒は控えるのがおすすめです。

食事については、特定の食品に偏らず、栄養バランスを意識することを基本にしましょう。

ストレスをため込まない

ストレスや不安が強いと、発汗が増えたり、眠りが浅くなったりすることがあります。

入浴や軽いストレッチ、深呼吸など、自分がリラックスできる時間をつくることも大切です。毎日の睡眠時間や生活リズムをできるだけ整えることも意識してみましょう。

まとめ

ひどい寝汗(盗汗)には、睡眠環境や飲酒、ストレス、更年期による変化、病気など、さまざまな原因が考えられます。

まずは寝室や寝具、生活習慣を見直し、自分の寝汗がどのようなときに起こりやすいのか確認してみましょう。

対策をしても強い寝汗が続く場合や、発熱・体重減少などほかの症状を伴う場合は、自己判断せず医療機関へ相談することが大切です。

記事監修

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ゆらぎの処方箋編集部
ゆらぎの処方箋編集部は、「女性のゆらぎ世代をもっと笑顔に」をテーマに活動しています。ちょっとした体調の変化から、美容やライフスタイルの工夫まで、等身大の視点で情報をお届け。読んだ瞬間から試してみたくなるヒントを発信しています。

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