更年期とは【薬剤師監修】

この記事は薬剤師監修によって書かれました

岡本 妃香里

2014年に薬学部薬学科を卒業し、薬剤師の資格を取得。
大手ドラッグストアに就職し、調剤やOTC販売を経験する。 2018年に退職し、その後はライター活動を開始。
現在は医薬品や化粧品、健康食品など健康と美に関する正しい情報を発信中。
医療ライターとしてさまざまなジャンルの記事執筆を行っている。

更年期とは

更年期とは、閉経前後の約10年間のことです。閉経前の約5年、閉経後の約5年を合わせて更年期と呼びます。
たとえば55歳で閉経した場合、50歳から60歳までの期間が更年期となります。

更年期の時期

閉経する時期は人それぞれです。早い方では40歳台前半、遅い方では50歳台後半に閉経を迎えます。つまり、更年期に入る時期も人によって大きく違うのです。

閉経とは、月経が永久に停止した状態のことを指します。いつ閉経するのかを事前に知ることはできません。しかし、月経の変化によって閉経の時期をある程度推測することはできます。これまできていた月経が突然なくなるのではなく、徐々に月経周期が乱れてきたり排卵のない月経が増えてきたりするのです。1年以上にわたり月経がない状態が続くと、閉経と診断されます。

更年期は必ずなるの?

更年期になると、体調に変化を感じる方が少なくありません。とくに疾患がないにもかかわらず、更年期にさまざまな不調があらわれることを更年期障害といいます。更年期障害になるのは、女性ホルモンの一つである卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が大きく変動しながら低下していくためです。更年期になると女性なら誰でも卵胞ホルモンの分泌量に変動が起きますが、すべての方が更年期障害になるわけではありません。

更年期障害と診断される方の割合は、40歳代で3.6%、50歳代で9.1%です。一方で、更年期障害の可能性があると考えている方の割合は40歳代で28.3%、50歳代で38.3%という結果になっています。このことから、不調を感じながらも医療機関を受診していない方が多いことが分かるでしょう。実際に、更年期障害と思われる症状が出ても「受診していない」と回答した方の割合は80~90%を占めています。

更年期障害は誰がなってもおかしくありません。家事や育児、仕事などに影響が出てしまうほど症状が出る方もいます。しかし、更年期になるとどのような症状が出る可能性があるのか、症状が出た場合はどのようにして対処すべきかを知っている方はあまり多くないのが実情です。

もし更年期になったら

検査をしても原因となる疾患がないのに、のぼせやほてり、動悸やめまい、イライラなどの症状が出ている場合は更年期障害を疑いましょう。更年期障害は治療によって症状を軽減させることができます。

婦人科を受診すると、ホルモン補充療法や漢方薬、向精神薬を使った治療などを受けられるので症状が気になる場合は早めに相談してみてください。また、ゆらぎやすい女性をサポートするサプリメントを活用する方法もあります。