ゲニステインとエクオールの違い【薬剤師監修】

ゲニステインとエクオールは、どちらも女性と深い関わりがある成分です。

この記事は薬剤師監修によって書かれました

岡本 妃香里

2014年に薬学部薬学科を卒業し、薬剤師の資格を取得。
大手ドラッグストアに就職し、調剤やOTC販売を経験する。 2018年に退職し、その後はライター活動を開始。
現在は医薬品や化粧品、健康食品など健康と美に関する正しい情報を発信中。
医療ライターとしてさまざまなジャンルの記事執筆を行っている。

大豆イソフラボンの種類

イソフラボンには、アグリコン型とグリコシド型の2種類があります。アグリコン型は糖が結合しておらず分子量が小さいので吸収力が高いことが特徴です。
一方でグリコシド型は、糖が結合している影響で分子量が大きく、吸収力は高くありません。そのため、イソフラボンが体内で効率良く吸収されるためには、腸内細菌による糖の分解を受けてグリコシド型からアグリコン型に変換される必要があります。

ゲニステインはエストロゲン様作用が強い

ゲニステインは、アグリコン型のイソフラボンの一種です。アグリコン型のイソフラボンには、ゲニステインのほかにダイゼイン、グリシテインの3つの種類があります。
3種類あるアグリコン型のイソフラボンのうち、とくに注目されているのがゲニステインです。ゲニステインはほかのイソフラボンと違い、エストロゲン様作用が強いことで知られています。

  • ●ゲニステイン:エストロゲン様作用が強い
  • ●ダイゼイン:エストロゲン様作用が弱い
  • ●グリシテイン:エストロゲン様作用がほとんどない

ダイゼインはエストロゲン様作用が弱く、グリシテインに至ってはほとんどエストロゲン様作用がありません。 そのため、エストロゲンの働きをサポートするためには、ゲニステインを摂取するのが良いといわれているのです。

エクオールの特徴

では、エクオールとは一体どのような成分なのでしょうか。エクオールは、ダイゼインが腸内細菌によって代謝されることで作られる成分です。
ダイゼインそのものには弱いエストロゲン様作用しかありませんが、代謝を受けてエクオールに変換されると、体内にあるエストロゲンの濃度に応じて効果を発揮するようになります。
エクオールは、エストロゲンの濃度が低いとエストロゲン受容体に結合してエストロゲン様作用を示し、濃度が高いと抗エストロゲン作用を示すおもしろい成分です。 エストロゲンが不足しがちな更年期の女性にとって、エクオールは嬉しい成分だといえるでしょう。

エクオールを作れる人は約半数

しかし、すべての方が腸内でダイゼインからエクオールを作れるわけではありません。日本人の約2人に1人は、エクオールを作ることができないといわれています。つまり、ダイゼインを摂取してもほとんど効果がない方もいるのです。
ゲニステインは腸内で代謝を受けなくてもエストロゲン様作用を示してくれるため、エクオールを作ることができない方は、ゲニステインを摂取したほうが更年期症状などに対して効果が見られやすい可能性があるでしょう。