キレイ・デ・ラボのXで、日々の「整え情報」や“飼い主さん”との日常について発信をしている「ゆらにゃ」。
ゆらぎのそばにいる存在として日々発信を続けているゆらにゃですが、実は、ここに来るまでの物語があります。
日々の発信ではあまり語られることのない、ゆらにゃ自身のこと。
どうして、人の言葉を理解したり、喋ったりできるのか。
どうして、「ゆらぎ」についての情報を学び、発信しているのか。
どうして、飼い主さんに寄り添うのか。
それは、ゆらにゃが歩んできた人生――もとい猫生と、深くつながっています。
Index
名前のない猫
数年前の、冷たい雨が降る日。
人目につきにくい、建物の陰に置かれた段ボールの中で、名前のない猫が小さく身を丸めていました。
雨音が強く、足音は遠くへ流れていきます。
「拾ってください」の文字が雨でにじんだ段ボールは、そこにある風景の一部のようで、気づいて立ち止まる人はいませんでした。
どこへ行けばいいのかも、どうすればいいのかも、まだわからなかった頃です。

このままじゃ、もう……。
そう思い、残った力を振りしぼって出した声はよわよわしくかすれて、雨音にかき消されたかに思えました。
そのとき、ひとつの足音が、段ボールの前で止まったのです。
誰かが、そこに立っていました。
その猫の頭上だけ、雨も止みました。
濡れた体がコートに包まれます。
「もう大丈夫だよ」
雨音よりも静かな声でした。
けれどその一言は、雨よりも深く、胸に残りました。

受け止められた命
雨は降り続いていましたが、抱き上げられると、雨音が聞こえなくなりました。
腕の中はあたたかく、聞こえるのは、近くで鳴る心臓の音だけ。
どこかへ連れて行かれる、という感覚はありません。
ただ、「ここにいていい」と、そう伝えられているようでした。
しばらくして、その猫のお腹に人の手が当たりました。
まだ小さく、外からはわからないほどでしたが、そこにもっと小さな命が宿っていることを、その人はすぐに気づいたようでした。
けれど、何かを言われることも、困った顔をされることも、ためらう様子もなく、ただ、お腹をやさしく撫でてくれました。
その手は離れることなく、しばらくそこにありました。
決意と月明かり
抱えられているうちに、その猫の中に、あたたかな気持ちが広がっていきました。
「ありがとう」
あふれんばかりの感謝を、猫から人間に伝える方法はありません。
だから、こうも思いました。
この人のために、何かしたい。
いつか、何かを返したい。
その時でした。
猫の想いに応えるように、雨がぴたりと止んだのです。
雲の切れ間から、まあるい月が姿を現し、淡い月明かりがそっと降り注ぎます。
月明かりに照らされた猫は、胸の奥にこれまでとは違う感覚が生まれました。
人の気持ちが少しだけ近くなったような、不思議な感覚です。

「ゆらにゃ」という猫
時が流れ、無事に生まれた子猫たちは、それぞれの家へと巣立っていきました。
名前のない猫は母になり、「ゆらにゃ」になりました。
今は、あのとき助けてくれた人――飼い主さんと暮らしています。
もう雨に濡れることもない、あたたかい毎日。
あの月明かりの夜から、人の気持ちを少しだけ感じ取れるようになりました。
そんなゆらにゃは最近、飼い主さんの様子に、小さな変化を感じることがあります。
食欲が落ちたり、ぼんやりしてしまったり。
その分、頑張りすぎてしまったり。
それは、これまでとは違う「ゆらぎ」でした。
ゆらにゃは、決めました。
「今度は、わたしがたすける番」
テレビの番組表をこっそりチェックして、「ゆらぎ」に関する番組が放送されていれば、リモコンを踏んでチャンネルを変えました。
冷えが大敵だと知れば、飼い主さんがあたたまるように、寄り添って眠りました。
運動が大事だと知れば、おもちゃを持って行って、たくさん遊んでもらいました。
そうやって過ごすうちに、ゆらにゃは気づきました。
「ゆらぎ」に困っているのは、飼い主さんだけじゃないこと。
ひとつひとつは小さなことでも、知っているだけで、少し楽になることがある、ということ。
だから、言葉にして残すようになりました。
みんなが「ゆらぎ」に詳しくなれば、まわりまわって、飼い主さんの助けにもなるはずです。
それが、いまの「ゆらにゃ」の発信につながっています。

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