プラセンタと更年期。エクオールとプラセンタの違いとは？【薬剤師監修】

更年期は女性ホルモンの変化によって、心身にさまざまな不調があらわれやすい時期です。
そのケアに役立つ成分として注目されているのが「プラセンタ」と「エクオール」。
本記事では、更年期とプラセンタの関係やエクオールとの違いについて、薬剤師監修のもとでわかりやすく解説します。

更年期とは

女性は年齢を重ねると、誰もが更年期を迎えます。一般的に更年期とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた期間のことを指します。日本人女性の平均閉経年齢は約50歳といわれており、45歳から55歳にかけてが更年期にあたる方が多いでしょう。

更年期にあらわれる症状

この時期には、ほてりやのぼせ、ホットフラッシュ、めまいなどの症状があらわれる場合があります。日常生活に支障をきたすほど症状が強く、かつ他の病気が原因ではないものを「更年期障害」と呼びます。

更年期障害の主な原因

更年期に不調があらわれる主な原因は、女性ホルモンの一種であるエストロゲン（卵胞ホルモン）が大きくゆらぎながら減少していくことにあります。

更年期症状とプラセンタ

更年期障害の対策として注目されているのがプラセンタです。厚生労働省から医薬品として承認されているプラセンタ製剤には、更年期障害に用いられる効能効果が認められています。

プラセンタの主な働き

プラセンタ（メルスモン）がなぜ更年期障害に有用とされるのか、その詳細なメカニズムはまだ十分に解明されていません。現時点で考えられているのは、次の3つの働きです。

組織呼吸促進作用

生理食塩水と比べて、呼吸を促す作用が約5.7倍高いと報告されています。

創傷治癒促進作用

びらんを縮小させたり、治癒の経過を早めたりするはたらきがあると考えられています。

抗疲労作用

疲労を軽減するはたらきがあるといわれています。

臨床試験の報告

プラセンタ（メルスモン）を更年期障害の方31例に対し、1回2mlを2週間継続して合計6回皮下投与したところ、有効率77.4％が示されたと報告されています。プラセボと比較した試験でも、有用性が確認されたケースがあります。

なお、更年期障害の治療を目的とする場合、医師の判断のもとでプラセンタ（メルスモン）を保険適用で使用することが可能です。

プラセンタとエクオールの違い

更年期のケアに活用される成分には、プラセンタのほかにエクオールも知られています。エクオールは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが腸内細菌によって代謝されることで生まれる成分です。エストロゲン様作用を持つとされ、更年期に見られるゆらぎのサポート成分として注目されています。

エクオールの特徴

エクオールは医薬品として承認されていないため、保険の対象にはなりません。また、大豆イソフラボンからエクオールを作り出せる人は日本人では約2人に1人といわれており、大豆を摂取してもエクオールが体内で生成されないケースもあります。

プラセンタとエクオールの比較まとめ

プラセンタ（メルスモン）

特徴：胎盤から抽出される成分
保険適用：更年期障害の治療において、医師の判断のもとで保険適用となる

エクオール

特徴：大豆イソフラボンの一種であるダイゼインから腸内細菌によって生成される成分
保険適用：保険適用外