ゲニステインは、大豆イソフラボンの一種です。女性ホルモンのひとつであるエストロゲンと似た化学構造を持つことから、エストロゲン様作用を示す成分として注目されています。
本記事では、薬剤師の監修のもと、ゲニステインの特徴や期待されるはたらきについてわかりやすく解説します。
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ゲニステインの効果
更年期の不調をサポート
更年期の代表的な症状として知られているのがホットフラッシュです。アジアの女性では、20~25%が閉経後にホットフラッシュを経験しているといわれています。
日本人女性を対象とした調査では、大豆製品を摂取することでホットフラッシュの発生率が低下する傾向が報告されています。さらに、12週間にわたりゲニステイン30mgを投与した研究では、プラセボ群でほてりが27%減少したのに対し、ゲニステイン群では51%の減少が見られました。
心臓の健康を守るはたらき
動物実験では、冠動脈閉塞を起こしたラットに対し、体重1kgあたり1mgのゲニステインを静脈内投与したところ、心筋壊死や心室性不整脈の発生が減少し、心筋収縮力が高まる傾向が示されました。
このような研究結果から、ゲニステインは心臓の健康維持に役立つ可能性があると考えられています。
肥満予防のサポート
閉経後はエストロゲンの分泌が減少することで、炭水化物や脂質の代謝に変化が生じ、肥満になりやすいとされています。
研究では、ゲニステインに炭水化物や脂質の代謝を促すはたらきがあり、体重管理に有用となる可能性が示されています。
さらに、脂肪組織を調節して脂肪細胞の生成を抑え、脂肪分解を促進する作用があることも報告されています。
糖代謝のサポート
閉経後の女性は、ホルモン分泌の減少によってインスリンの効きが悪くなり、糖尿病を発症しやすいといわれています。
ある研究では、1日あたり54mgのゲニステインを6か月、12か月、24か月にわたって投与したところ、空腹時血糖値の低下が確認されました。
また、2型糖尿病を持つ閉経後女性に植物エストロゲンを12週間投与した研究では、空腹時インスリンやインスリン抵抗性が減少する傾向が見られています。
気分の落ち込みや不安感へのアプローチ
閉経後はエストロゲンの分泌が減少することで、不安感や気分の落ち込みなどが起こりやすくなります。
ゲニステインについては、ヒトおよび動物実験の双方で抗うつ作用や抗不安作用を示したとの報告があります。
さらに、体重1kgあたり10mgを投与した研究では、抗うつ薬として使われるアミトリプチリンと同等のはたらきが見られたとの結果も示されています。
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