グルタチオンを取り入れるメリットと副作用のリスク 【薬剤師監修】

この記事は薬剤師監修によって書かれました

岡本 妃香里

2014年に薬学部薬学科を卒業し、薬剤師の資格を取得。
大手ドラッグストアに就職し、調剤やOTC販売を経験する。 2018年に退職し、その後はライター活動を開始。
現在は医薬品や化粧品、健康食品など健康と美に関する正しい情報を発信中。
医療ライターとしてさまざまなジャンルの記事執筆を行っている。

グルタチオンを取り入れるメリットと副作用のリスク

健康と美容に役立つ成分として注目

グルタチオンは、健康にも美容にも良い成分として注目されている成分です。美白効果や抗酸化作用など、さまざまな働きがあります。グルタチオンを取り入れるメリットとしては、次のものが挙げられるでしょう。
  • • 美白効果が期待できる
  • • 老化現象から体を守ることができる
  • • ビタミンCやビタミンEの抗酸化作用をサポートできる

活性酸素から体を守る抗酸化作用

グルタチオンには、美白効果があります。シミの原因であるメラニン色素の合成を阻害する働きがあるのです。また、強力な抗酸化作用により活性酸素の働きを抑えることもできます。 活性酸素とは、体内に取り込まれた酸素が化学反応を起こすときに作られるものです。高い活性をもっており、普段はウイルスやがん細胞を攻撃する役割をはたしています。 しかし、活性酸素は、細胞を傷つける働きもあり老化につながることが大きなデメリットです。グルタチオンは、抗酸化作用により活性酸素の働きを弱めることができるため、老化対策にも良いと言われています。

ビタミンC・Eの働きを再活性化

また、還元作用によりビタミンCやビタミンEの働きをサポートすることも特徴です。ビタミンCやビタミンEにも抗酸化作用があるのですが、酸化してしまうと働きが弱まることが分かっています。 ここでグルタチオンの還元作用が働くと、酸化を受けていないビタミンCやビタミンEの形に戻るため、再び抗酸化作用を示すようになるのです。

副作用のリスクと安全性について

基本的には副作用は少ないとされている

日本で販売されているグルタチオンサプリであれば、推奨されている量を摂取する分にはほとんど副作用が出ないとされています。そのため、過度に副作用を心配する必要はありません。

報告されている副作用例

しかし、副作用が絶対に起こらないわけではないので注意が必要です。医薬品のグルタチオンでは、次のような副作用が報告されています。
  • • アナフィラキシー
  • • 発疹
  • • 食欲不振
  • • 吐き気
  • • 嘔吐

アナフィラキシーの兆候に注意

アナフィラキシーとは、アレルゲンの侵入により起こる重篤なアレルギー症状のことです。グルタチオンの摂取後に顔面蒼白や血圧低下、脈拍の異常などが見られたらアナフィラキシーを疑ってください。もしこのような症状が出たら、速やかに医療機関を受診しましょう。

副作用の発生頻度はごくわずか

ただし、これらの副作用の頻度は0.1%未満と決して高くはありません。むしろ、医薬品の中では副作用が少ない方です。グルタチオンサプリを摂取した場合も、人によっては上記のような副作用があらわれる可能性があります。 副作用を気にしすぎる必要はありませんが、どうしても気になる場合は、医師や薬剤師に相談してから摂取するようにするとよいでしょう。