更年期は、女性の心身に大きな変化が訪れる時期です。閉経の前後5年間、あわせて約10年間を指し、この間にホルモン分泌がゆらぎながら減少していくことで、心身にさまざまな不調があらわれやすくなります。日常生活に支障をきたすほど症状が強い場合は「更年期障害」と呼ばれ、多くの女性が悩む問題のひとつです。
こうした更年期のサポート成分として注目されているのが、大豆由来のイソフラボンである「ゲニステイン」です。エストロゲンと似た化学構造を持ち、女性ホルモン様作用を示すことから研究が進められています。
本記事は薬剤師の監修のもと、更年期の基礎知識とあわせて、ゲニステインの特徴についてわかりやすく解説します。
Index
主な更年期症状
身体的症状
- ほてり
- のぼせ
- ホットフラッシュ
- 発汗
- めまい
- 動悸
- 頭痛
- 肩こり
- 関節痛
- 倦怠感
精神的症状
- 気分の落ち込み
- 意欲の低下
- イライラ
- 情緒不安定
- 不眠
更年期症状の原因
更年期障害が起こるのは、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌量が大きくゆらぎながら低下していくことが関係しているといわれています。
エストロゲンの減少が更年期障害の主な原因とされているため、治療法のひとつとして「ホルモン補充療法(HRT)」が行われることもあります。
ただし、人によってはホルモン補充療法によって不正出血や乳房の張り、下腹部の違和感や吐き気といった副作用が生じる場合もあり、抵抗を感じる人も少なくありません。
注目されるゲニステイン

そこで注目されているのが、大豆イソフラボンの一種であるゲニステインです。
研究では、ゲニステインが更年期に見られるホットフラッシュの頻度を下げたり、不安感や気分の落ち込みをやわらげたりする可能性が示されています。
例えば、日本人を対象とした6年間の追跡調査では、大豆を摂取していた人はホットフラッシュの発生率が低下したとの報告があります。
また、更年期女性を対象に12週間、ゲニステイン(30mg)またはプラセボを投与した研究では、プラセボ群でほてりの改善が27%だったのに対し、ゲニステイン群では51%の改善が見られました。
なお、ゲニステインがどのような仕組みでほてりを軽減するのかは、まだ明らかになっていません。現時点では、細胞内に取り込まれたゲニステインがゲノムメカニズムを介して作用している可能性が考えられています。
こうした研究結果から、ゲニステインは更年期のサポート成分として注目されているといえるでしょう。
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