エクオール飲んではいけない人【薬剤師監修】

この記事は薬剤師監修によって書かれました

岡本 妃香里

2014年に薬学部薬学科を卒業し、薬剤師の資格を取得。
大手ドラッグストアに就職し、調剤やOTC販売を経験する。 2018年に退職し、その後はライター活動を開始。
現在は医薬品や化粧品、健康食品など健康と美に関する正しい情報を発信中。
医療ライターとしてさまざまなジャンルの記事執筆を行っている。

エクオール飲んではいけない人

エクオールは、摂取してもとくに副作用が起こらないといわれている成分です。しかし、どのような人でもエクオールを摂取しても良いというわけではありません。エクオールは、大豆イソフラボンに含まれているダイゼインが腸内細菌によって代謝されることで作られます。

大豆アレルギーの人は避けましょう

エクオールが主成分として配合されたサプリメントも原料に大豆が使用されているため、大豆アレルギーの人は摂取できません。大豆アレルギーをもっている人がエクオールを摂取すると、かゆみや発赤、蕁麻疹やのどの違和感、吐き気などアレルギー症状が起こる可能性があります。

乳がんには影響ない

では、乳がんの人はエクオールを摂取しても問題ないのでしょうか。乳がんは、エストロゲン(卵胞ホルモン)がリスクファクターになることが分かっています。エクオールはエストロゲンと構造が似ており、作用も類似していることから、乳がんの患者さんは飲まないほうが良いと考える人もいるかもしれません。
しかし、心配は不要です。エストロゲンの活性を1とすると、エクオールの活性はわずか0.001~0.01しかないのです。1000分の1から100分の1の活性しかないため、乳がんには影響しないと考えられます。
実際にアメリカでは、げっ歯類を用いてエクオールについての研究が行われました。この研究では、エクオールが乳腺腫瘍の増殖を刺激しないことが分かっています。つまり、乳がんの人がエクオールを摂取しても問題ないということです。
普段から大豆の摂取量が少ない人でエクオールの摂取量が増えたケースでも、乳がんとの関連性は報告されていません。むしろ、エクオールの量が増えることでがんのリスクが低下する可能性があることも報告されています。これらの情報を踏まえると、乳がんの人がエクオールを摂取しても大きな問題があるとはいえないでしょう。

妊娠中や授乳中の人は避けましょう

しかし、妊娠中や授乳中の人は注意が必要です。妊娠中や授乳中の人がエクオールを摂取した場合の安全性については、まだしっかりとした情報がありません。
エクオールではなく大豆に関する研究ですが、大豆に含まれているイソフラボンは胎盤を介して移行することが分かっています。これらのことから、エクオールを飲んではいけない人は、大きく分けて次の2つに分類することができます。
・大豆アレルギーがある人
・妊娠中・授乳中の人
これらに該当する人は、エクオールの摂取を控えるようにしてください。このほか、何か気になることがある場合は、医師や薬剤師などに相談してから使用するようにしましょう。