エクオールは、大豆イソフラボンに含まれる成分「ダイゼイン」が腸内で代謝されることで作られる物質です。女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)と似た構造をもっており、年齢とともに変化しやすい女性のからだを支える成分として注目されています。
エストロゲンと似た働きがあると聞くと、「副作用があるのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、サプリメントなどで摂取する一般的な量では、エクオールによる副作用が報告された例はありません。現時点では、安全性が高い成分と考えられています。
エクオールの働きを正しく理解し、安心して取り入れるために、まずはその性質や注意点を知っておくことが大切です。
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エクオールによる副作用の心配はほとんどない
エストロゲンが過剰に働くと、子宮内膜症や子宮筋腫、乳がんなど女性特有の疾患リスクに関係することが知られています。ただし、エクオールはそれらの疾患が起こるほどの活性はもっていません。
エストロゲンの活性を1とした場合、エクオールの活性はおよそ0.001〜0.01とされており、約1000分の1から100分の1程度に過ぎません。このため、医薬品として用いられるエストロゲンと同じような副作用が生じる可能性は低いと考えられています。
高濃度での影響を調べた研究もある
一部の研究では、エクオールが女性の体にどのような影響を与えるかを確認するための基礎的な実験が行われています。アメリカのイリノイ大学では、マウスから単離した「胞状卵胞(これから発育する可能性が高い卵胞)」を用いて、エクオールとともに培養する試験が行われました。
胞状卵胞をエクオール(600nM、6μM、36μM、100μM)とともに48時間および96時間培養し、卵胞の直径を測定したところ、100μMという高濃度の条件下で成長が抑えられる傾向がみられました。また、エストラジオール、テストステロン、アンドロステンジオン、プロゲステロンといったホルモンの濃度が低下することも報告されています。
この研究は試験管内で高濃度のエクオールを直接作用させたものであり、日常的な摂取量とは条件が大きく異なります。現時点で、ヒトが通常量のエクオールを摂取した際に副作用が報告された例はなく、過度に心配する必要はないとされています。
まとめ
エクオールは、一般的な摂取量で副作用の報告がなく、安全性の高い成分と考えられています。試験管で高濃度を用いた実験では変化が見られたものの、通常の摂取量とは条件が異なるため、過度に心配する必要はありません。
ただし、安全に取り入れるためにはいくつか注意が必要です。大豆アレルギーのある方は摂取を避け、持病がある方や服薬中の方は医師や薬剤師に相談してから取り入れるようにしましょう。
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